昨年の何必館で開催された「サーカス サラ・ムーン展」。
昨年 ですので、お間違いのないように^^; 先日の「ロベール・ドアノー展」の記事を書いていて、そういえば…と思い出して。 過去に別の場所でUPしてたのですが、こちらにも参考までにUPしておきますね。 この何必館初めて行った時の文章で、この館の独特な雰囲気に飲まれちゃったことを延々と書いてますぅ^^; ************** 「サーカス サラ・ムーン展」 何必館・京都現代美術館 2004年5月23日に終了 何必館…この施設の前は幾度となく通ってましたが、どことなく入りにくい雰囲気があって今の今まで一度も行ったことなくて。 モグリな地元人にして、モグリな芸術オタクな私^^; 公立の美術館・博物館などは、展示替え・企画展を視野に入れて色んなモノを一般の人達に親しんでもらおうという趣旨から、建物の古い新しいに関わらずどこでも開かれた明るい雰囲気ですよね。 でも、ここ何必館は全く違った雰囲気。 八坂さん(八坂神社…京都人って人間以外でもすぐに「さん」を付けるよね・笑)の近く、色んなお店や観光客ひしめく四条通に面して、他のお店と同じくらいの間口なのに、そこだけみっしりとした濃い空気が詰まっていて。 周りの喧噪すら圧する磨かれた黒い石のエントランス、その奥…ほんの3.4メートルほどの距離だけど、遙か遠くに感じる明るい光を放つ館内。 表に美術館の案内がなければ、超高級ギャラリーか会員制サロンと間違いそうなぐらいエクセレントな雰囲気。 何にでもすぐ気後れする私^^;で、常設展示の時にはどうしても入れなくて。 で、例のごとくヤフオクで展覧会の券を物色してたらこの何必館の特別展のが出てて、これは良い機会と手に入れて行くことに。 この券を手に入れたオークションもかなり変則的で、私にとっては棚ボタだったんだけど…この話は別の機会に・笑。 会期末に追われてだったので、気持ち的にはそう乗り気でない状態。 あの、みっしりとした密度の濃いエントランスに立つと、一瞬ぎゅっと押しつぶされそうな気がして、入って良いのかな…なんてためらってみたり・汗。 キョロキョロしながら、暗くてひんやりとしたアプローチを通り、ガラス張りのドアを開けた時の何とも言えない感覚。。 皮膚に何かが張り付いてくる…というのかな。。 一歩踏み込んだだけで感じるこの濃さは、どう考えても作品から放たれるモノではなくて。 この空間・建物から放たれているモノ。 作品から感じることはあっても、施設の「場」から感じたことなくて。 作品よりも濃い「気」に飲み込まれてしまって、結局、企画そのものの印象は二の次になってしまって^^; けど、とにかくまずは企画の感想を。笑 サラ・ムーン(Sarah Moon 1941~ /仏) モデルからカメラマンに転向。主に広告写真を手掛けていたそうです。 毎度のことですが事前に情報を仕入れず、ただ写真展ということだけを知っていて。 会場に行くと「サーカス」という映画があってそれから写真展を起こしたとのこと。 会場では併せて映画も上映されていて、写真を見た後、映画も見ることに。 マッチ売りの少女を現代風にアレンジした内容で、モノクロ50枚余りの写真が話の流れに沿って並べられてました。 それぞれ英語と日本語で場面のナレーションがキャプションとして添えられていて。 そう、絵本のような感じね。笑。 それがゆえに、つい、文字を追うことが中心になってしまい、いかんなぁと・苦笑。 思い直して、途中からは先に写真を見てキャプション読んで、また写真を見ると言う形で味わうことに。 こういう見方をすると、思いがけず魅入ってしまうんだよね・笑。 目からの第一印象、文字による情報の追加、それを踏まえて感覚が具体化する部分とより混沌とする部分…。 惹き付けられたこの1枚…と言うのは残念ながらなくて。 ただ、全体を通して漂う独特の雰囲気には、後を引くモノが。 写真の技法については詳しくはしらないけど。 モノクロで、ピントの甘いキメの粗いプリント(マットペーパーにセピアを組み合わせたもの、だそうです)。 現代の作品だけど、どこかレトロ。ノスタルジックで夢物語のような。 写真って目の前の現実を切り取ってゆくものだけど、これは明らかに物語。 映画からの出典だから当たり前だけど、映画の一場面と言うよりは「物語」で・謎微笑。 写真を見た後は映画。 15分ほどの作品。 写真と同じように、柔らかくて荒れた画像。 どこかコマ落ちたような動画や写真を使って撮影された静止画像。 ナレーションの淡々とした声で語られてゆき、ゆえに女の子の歌声や女性の笑い声がより印象的に響き。 基本的にはモノクロだけど、時折挿されるカラーの鮮やかさ。 特に最期女の子のスカートが舞い上がった時のパニエの赤は印象的で。 見る以上に「感じる」映像で、今になっても言葉の感想が出てこなくて。 あまり映画や写真に慣れてないから、かな? ストーリーからすると、見終わった後になにがしかの感情…哀しいとか切ないとか…が溢れてきても良いはずなのに、そういった言葉になる感情とはまた違った「感じ」で。 自分でも「?」と思い、もう一度続けて見たけど、やっぱりはっきりとはしなくて。 帰宅後、何必館のHP見て作品の解説読んだけど、でも私にはどこかしっくりこない解説で。 うぅ~ん・悩。。 これから先、色んなモノに触れてゆくなかで、いつか何処かで何かが繋がって、ふとわかることがあるのかな…? 今まで触れたことのない領分に触れたのかも。 ゆえに、感じるモノはあるだのけど言葉にならなくて…。 もどかしい。。。。 何となく後を引きそうなサラ・ムーン。 けど、この企画がこの場所以外で開かれてたら、これほどまでに引っかからなかったかも。 謎微笑。。 実はこの2倍以上の長さの文章でした^^; 何必館のあれこれをメインに書きまくってたので。 けど、とりあえずは企画の感想だけに絞ってUP。 先にも書いたけど、この何必館自体が何よりインパクトあって。 気になってネットで調べると、ここの館長さんの激しい思い入れ…それはエゴと言った方が良いかも・汗…によって建てられた施設で、知れば知るほどにうぅ~~~~~ん、と。 もともとは常設展示の為…というか、特定の作品の為だけに作った建物ゆえに、とても濃い空間なんだよね。 何が「濃い」のか…上手く言えないけど・汗。 初めて訪れたのが、特別展という建物本来の状態でない時で、これはちょっとしくじったかな。 興味のある方は、是非足を運ばれてみてはいかがでしょう。 フロア自体は狭いですが、引き込まれたらきっと1時間程度では足りないと思うので、思いっきり贅沢に時間を使うつもりで。。 私も近いうちに、もう一度行くつもりです。 何必館本来の姿をゆっくり味わうために ************** これを書いたのがほぼ1年前。 結局常設展示には未だに足を運んでいないのですよね^^; てか、やっぱり¥1000って高いですぅ…私にとっては・大汗。 ただ、先日のドアノーの企画で3度足を運び、行く度にこの何必館の空気に惹かれていって。 作品を味わうのも心地良いし、ただ、その館内の空気に包まれてるだけでも心地良くて。特に5階の鮮やかな印象は、忘れがたくて。 この初夏の季節は、特にお薦めです♪ 宜しければ、ぜひ足を運んで頂きたい場所です。。 画像は何必館のHPから頂いてきちゃいましたが… 特装本 「CIRCUS」サラ・ムーン サーカス 限定200部 ・サイン入りオリジナルプリント1枚付き ・サラ・ムーン監督作品「サーカス」DVD(日・仏・英3ヵ国対応)付き ・手漉和紙使用,アクリルケース入り ・特別仕様アーティストブック だそうで、¥85.000・汗 と、宣伝しておきますので、引用許して下さいますように^^;
by antelope02
| 2005-04-27 22:50
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